娘と父の学校

娘2人がインターナショナルスクールに通い出して1週間。明暗がはっきり出た。長女は適応できているが、次女はできていない。長女は「だって私フランス人だもん」とどこかで聞いたような成りきりぶり。金髪碧眼だらけのクラスメイトに混じり、仏語はわかんないけど、英語だったらわかる、と頼もしい。授業は、1日を半々にして2言語でやると言っていた割にそれほど厳密なものではなく、ちゃんぽんでやっているらしい。教わったという歌を披露してくれたが、最初のボンジュール以外は意味不明。一方、次女は先生の話を無視し、エスケープするとか泣き止まなくて手に負えないとかで、金曜には先生から会社に強制送還依頼の電話がかかってきた。様子を聞こうと次女に電話を代わってもらっても泣くばかり。今度は長女に代わってもらったら、こちらは電話口でいきなり「ハロー」と言ってきた。次女自ら「Tちゃん、もうフランス、バイバイするの」と拒否反応。単に年の差か、性格の差か、まだ最初とはいえやや心配。日曜の午後には先週に引き続きParc Bordlais。混雑していたが、帰りがけPetit Trainに乗ってご機嫌。妻はスウェーデン人とポルトガル人のお母さんと非フレンチ同盟の縁が出来たらしい。
そして、我が仏語学校、もしかすると、先生以外にヨーロッパ人は1人もいないかも知れない。トルコ人と、ほとんどがアフリカ人。同じ学校でも子と親でブルジョアプロレタリアートにはっきり分かれたわね、とは妻の弁。北アフリカ諸国は小学校から仏語を習っているくらいだから、そもそも日常会話はできている状態で、普通に皆世間話を仏語でしている。相変わらず私はクラスで最劣等生であるが、悪いなりにも自分の能力を冷静に省みられるようになってきた。重症なのはリスニングであり、ラジカセで音を流して、いま何て言いました?式の練習が最も厳しい。文の中にRの音があると発音できなくて更に辛い。逆に、文法問題、特にプリントで語順がバラバラの単語を正しく並べ直す問題は、最も得意とするところだ。「わかる人?」と先生に聞かれると、他では黙りっぱなしな分、ここぞとばかりに積極的に回答に励む。しかし、それくらいではあまり認めてもらえない。これまでクラスメイトに質問されたことと言えば、日本に雪は降るのか?羊は何と鳴くのか?春巻は好きか?シューは好きか?(意味不明) Petit Dejeunerは何を食べるのか?とか。最後の質問はdejeunerがランチと知っていたのでpetitがつくならおやつのことだと察して、特に食べんよ、日本人はフランス人ほど食わんのだよ、と答えたら、びっくりされた。朝食のことだったのだ。