パリへ

妻子をCDG空港まで送るのに8日間、2千kmをかけて移動してきた。特に明確な目的もなく、名だたる観光地を経由する。結果的に王侯貴族の栄華を偲ばす施設を多く訪れる。さすが、国勢図会によれば、年間75百万人と世界一観光客を引き付ける国(日本は6百万人)、観光資源には事欠かない。もっとも、豪勢な建築物よりも、ダ・ヴィンチが生涯最後の3年を過ごしたクロ・リュセで飛行艇や戦車の模型を野外で見れた方が嬉しかった。それにしても、中央集権国とはいえ、地方都市にもそれぞれの活気と趣があり、日本で見られるようなシャッター閉じっぱなしの商店街などは見かけなかった。働き口を見つけ易いのはパリだが、住みたいとは思わない、とはよく聞く話。妻は、パリでわざわざ市民プールを探し出してきて泳いでいた。冬のパリに来て泳ごうと考える観光客は滅多にいないんじゃないか。以下、反省点。

  • ホテルを予約しない行き当たりばったり式は気楽な面もあるのだが、夜更け後に道に迷うと神経が疲弊した。前日にGoogleMapでいくつかその日の目的地を想定して道を確認し、ラップトップに複数画面を表示させたままオフライン状態で地図代わりにしようという、カーナビ・GPS時代にひどく原始的なやり方で対処していた。なお、ホテルはチェーン店専門で、基本がFormule 1、贅沢気分でHotel B&Bの2種を利用。全室ダブル+シングルベッドのF1は本来定員が3名だが、4歳以下の子供は人数に含めないでくれるのだ。ただ、パリでは昨年は1泊30ユーロそこそこだったはずが、今年から39ユーロに大きく値上がりしていた。
  • 高いガソリンを少しでも安く買おうと小まめに少しづつ入れては安いガソリンスタンドを探し回っているうちに、結局ガソリンと神経を無駄に使い過ぎた気がする。神経が参ったせいか、前方不注意でガソリン料金支払い所前の鉄ポールにドアを擦ってしまう。売る直前だっただけにがっかり。
  • 高速道路と一般道路の標識。一般道路には目的地が表示されるが、高速は高速という表示しかないことが多いことに途中まで気づかず、高速道と一般道が平行に走っているにも関わらず、目的地が表示されているという理由から、一般道をちんたら走って時間をロスする。
  • 連日300kmほどもクルマに乗るのは、特に運転者以外にストレスを強いた。もっとゆとりをもって旅程を考えられたらよかった。
  • レストランではよく考えて注文しないと、食べきれなくなくなる。2人分だけにして、小皿を別にもらって4人でシェアする方が無難。ついうっかりcreme saladaを頼み、予期せぬ匂いのきつい巨大なチーズ群を一口も食べずに丸々残してしまった。
  • 超観光地モン・サン・ミッシェルの名物オムレツはおそろしく値が張るくせに旨くなかった。
  • 初めてパリで高台に上がりたく、ノートルダムの屋上に行きたかったのだが、着いたのが17時前でも、今日はもうおしまい、と断られた。
  • もうすぐ帰国なのに我慢できずに、パリのうどんや、国虎屋へ。4人で50ユーロ、8千円!客層は6〜7割日本人、意外にも住人より観光客の方が多いらしい。
  • 多くのクルマが速度制限を慎重に守っているのはわかっていたつもりなのに、朝8時にパリを出発して、まもなく帰宅というBDX直前の16時半にスピード違反を犯してしまう。いつのまにかの機械判定だったようで、70km/h制限を6km/hオーバーしてた、と自宅に罰金請求書が届く。罰金は68ユーロ。15日以内に払えば早期割引(?)で45ユーロ、45日以後は180ユーロ。異議申し立て用の用紙も同封されていたが、仏語で反駁する自信はとてもない。
  • 妻は、電話に夢中で客そっちのけのモン・サン・ミッシェルのトイレの集金係と、買った品物を袋に入れ忘れてもすました顔のユーロディズニーのレジ係の両婦人に、「所詮中身はフランス人!」と憤慨していた。

下手な運転なのに事故がなかっただけでも幸いだったか。(写真)