軽井沢へ

昨年オープンしたばかりの軽井沢の星のやに2泊してきた。"「もし日本が、固有の文化を大切にしながら近代化を遂げる『もう一つの路線』を歩んでいたら」をテーマとした、谷の集落"、という挨拶文の通り独自色の強い宿だった。
車の騒音を避ける理由から駐車場がかなり離れた場所にある。施設内は運河が流れ、その周囲に戸建の部屋が点在、星のやのロゴ付き日産キューブがそろりそろりと客を運ぶ。原則2泊以上の宿泊が条件。部屋にはTVがなく、ゴロ寝するスペースが広くとってある。源泉掛け流しという温泉は、天井が低く、環境音楽が流れる真っ暗闇の洞窟風呂につながっている。集いの館の図書室にはなぜか当社の悩ましいタイトルが1冊、目立つ場所に置いてあった。夏は涼しくても、冬は酷寒の地軽井沢だし、別荘を持つ余裕がある人にとっては、こういうサービスの充実した旅館に連泊する方が魅力であろうか。自分はもういいかも。経営する星野リゾートは昨年ゴールドマンサックスと温泉旅館再生の合弁企業を設立した。まったく無知だが、こういう商売も面白いものかも知れない。18歳の夏に住み込みバイトで1ケ月を過ごした油屋にも寄る。こちらの方が歴史は300年以上古い。トイレの床や便器までピカピカに磨き上げたら、女将に来年もまた来てね、と喜ばれて嬉しかったものだ。
宿に隣接して野鳥の森と呼ばれる一帯があったので、2時間ほど駆け回る。その後、快晴の下の露天風呂がまた爽快だった。