続 仏語教室

週に2回、通い続けているが、今日はいつにもましてハードだった。生徒は6人。チュニジア人3人、セネガル人1人、トルコ人1人に私。仏語のレベルが他の5人と私とで高校生と幼稚園児位違う。後半の課題は、自分がバカンスに出かける際に家を空けるので、知り合いに家の留守の管理を依頼する、その際の会話をしてみよう、というものだった。私の場合は「大事な家だから、気をつけてくれ。」で、ネタが尽きる。他の皆は、「掃除をする」「電気のスイッチを消す」「窓の開け閉めをする」「電話を使い過ぎない」「花に水をやる」「犬の世話をする」とか、あれこれ出てくるのだが、私は聞いていてもわからない。皆で私を助けるべくこの表現は英語で何と言うんだっけ?と首をひねるのだが、ウィリアム君がいないと、誰もわからない。女先生は、何という単語だったか忘れてしまったが「うるさくしない」という動詞の意味を私に伝えるべく、ホワイトボードにnoiseと書いて首を横に振る、というパフォーマンスをしてくれたり、「犬」を教えるために「ワン」と叫んでくれた。他の生徒、特にアフリカ勢は元々流暢で、なぜ学校に来る必要があるのかよくわからない。折角だから話をしてみたいと思うが、私の会話力では相当厳しい。

英語と仏語とで共通の語幹を持つパターンが何となく解ってきたので、英単語を仏語式に発音してみる、という手を覚えつつある。gはガ行ではなくジェ、chはチではなくシャ、語尾のtionはチオン、entはアンとか。しかし、英語の知識が全く意味をなさないケースもある。先週の車にまつわるボキャブラリの練習がそうだった。タイヤがle pneu、ハンドルがle volant、ボンネットがle capot、フロントガラスがle pare-brise、ブレーキがle frein、クラッチがl'embrayage、ヘッドライトがles phares、ウィンカーがle clignotant等々、冠詞がセットになる上、音がカタカナと似ても似つかない。フランスが独力で国産車を作る歴史がそれなりにあったということか。

学校と会社の同僚の一部からはShintaroと呼ばれているが、何しろRは特徴的で、日本語で表記するとシンタホーみたいに聞こえる。restrantはヘストハンで、日本語のレストランはlestlantになり、私が苦労してひねり出すRの音はスペイン語の巻き舌Rのように聞こえるらしい。

会社ではyesの代わりにouiをよく使う位で、挨拶以外はほぼ英会話。ただ、文字の読み書きを含めると日本語に接している時間の方が多く、家でも日本語。フランスにいるとはいえ、使用言語は日本語7割、英語2割、仏語1割くらいか。英語の議論や、仏語の授業で絶句する都度、もっと勉強しなくては、と反省するのだが、つい怠けてしまう。仏語は学費を払わず漫然と学校に通っているだけなのがよくないのだろう。大きな目標を持つことがいいんじゃないか。年内に仏語検定2級を受け、アフリカ旅行にも出掛けてみようか。英語はさっぱり上達しそうにないけれど、まあいいや。