BIS

株主総会が終わり、翌日フランスへ戻る。飛行機が遅れて終バスなし。空港からBourran亭まではタクシーで18ユーロ。アパートに着いて5時間後、娘達を起こし、今度は入れ替わりに帰国する妻子を空港へ車で送る。
約10週間の一家でのBDX生活は大過なく終えることができた。娘の学校は最後まで長女と次女とがまったく違った行動をとり続けることとなった。言葉がわからなくても積極的に人の輪の中に入っていこうとする長女に対し、次女はいつも一人でポツンとしている。学期の終わりに先生のコメント表みたいなのをもらったが、長女については、"has made amazing progress"、"works rapidly and correctly"、"is trying very hard to ask and answer in English"とexcellent評価の連発。しかし、次女についてはまったくthe oppositeらしく、授業からもescapeする常習犯で先生を悩ませているらしい。二人とも珍しいアジア人の容貌がクラスメイトから親しまれてはいるようで、特に次女は上級生の目に留まると、代わる代わるに抱っこされたりキス攻めにあったりで、愛玩動物かぬいぐるみのような扱いを受けていた。いささか手荒な感もあって、次女はそれを避けたがる風がなくもない。妻に「いつも一人でボーッとしてんのはあんたに似たんじゃないの?」と指摘されたが、確かに自分も幼年期からおとなしかった記憶はあるが、こっそりクラスを抜け出して一人で部屋に閉じこもるというほどの単独行動はとっていなかったと思う。子供達が言葉が通じなくても、ふざけあい、からみあって遊んでいる姿を観察するのは面白い。コミュニケーションが言葉だけではないんだと知らされる。妻に言わせると、インターナショナルスクールには助け合い精神が溢れているんだそうだ。自分もフランスでの手探り生活を経験して以来、外国人労働者や留学生関連のニュースには、つい敏感に反応するようになっている。クラスメイトであり続ける時間はとても短いのかも知れないのだけれど、その刹那の時間が長く記憶に残ることもあるのではないか。父親がプロサッカー選手であるために住む街を転々と変え、先月にも突然引っ越していったチェコ人、ナチャリーは何かとウチのガキ達のことを気にかけてくれる、面倒見のよい子だった。
3歳〜18歳の子供達が揃って登場した学芸会。長女は猫役、次女は鼠役。素行の悪い次女は舞台裾でも先生に抱っこされている。映像: