再就職

漸く職に就いた。上野不忍の寿司屋。原則として定休日の日曜以外月曜から土曜まで店に詰めている。外食ということでは、パン屋が昔からあこがれの職業だったが、寿司屋の選択枝は考えていなかった。単純に昨年のフランス暮らしを通じ、自分が食べたい、周りの人達に食べさせてやりたい、と思ったことがきっかけだ。食生活に不自由のない日本に住んでいたら、やがて熱も冷めるかも知れないのに、一時の想いでここまでのめりこんでしまった。話には聞いていたが、外食業は拘束時間が長いし、給料は安いし、手は魚の棘や包丁傷でボロボロ、塩と酢がしみるしみる。ThinkPad指紋認証は遂に認証してくれなくなった。料理について、長年のキャリアがあるとか、もともと好きだったとかという訳でもないので、我ながらセンスは無い。そんなトロい自分に調理の指導をしてくれる二人の先輩は、なんと16歳に24歳と1回り、2回りも自分より若い。だいぶ奇異な状況かも知れない。自分でも中年の見習いを雇う理由がわからない。それでも、鮨の字の通り、毎朝活きの良いプリプリした魚を更に旨くするべく仕込む仕事はとりあえず楽しい。なので、約1年間の無職バカンス状態から一転、連日朝から夜中まで立ち仕事という急激な変化にも案外苦もなく順応できている。家族や周囲にも理解してもらえてありがたい。もっとも、仕事を理由にいくつかの用件を断ってもいて、この場を借りて感謝と陳謝。ついでに言うと、よかったら池之端まで食べに来ませんか?自分も時々付け台(カウンター)で海苔巻巻いてるし、ホント、旨いと思うんで。(店のHP)