出目金孵化(?)

ミナミヌマエビがうようよしているミニ水槽にサイズはほぼ同じなのだが、髭も脚もない奇形児が漂っている。それも目を凝らすと30匹くらいはいそうだ。この新たな闖入生命体はなんだろう?と何日か考えていた。空から降ってきたオタマジャクシか、先日買った水草にメダカの卵が付着していたか。水槽の壁面に石巻貝の卵があるのは判っていたが、これが孵るとは思えなかったし、どう見ても貝じゃない。だが、最近2匹の出目金がいる水槽内の水草をミニ水槽に移動させてたことにはたと気がつく。げっ、こいつらデキてたのか。互いに尻を追いかけ回し合っているのは、無邪気なじゃれ合いではなかったのか。彼らがオス・メスだったことすら知らなかった。今もって黒と三色のどっちがどっちかもわからない。水草にこびりついたカビが気になっていたのだが、あれは餌の残りではなく死卵だったか。注意深く見てると、その後も水換え後など透明な1mm位の卵を産み付けている。金魚は自分で産んだ卵も稚魚も容赦なく食べてしまうものらしい。期せずして、グッド・タイミングで卵だけを救出する格好になったようだ。エビよりさらに透明にして、薄く細い腹で物欲しそうにチロチロと水面に顔を出す様を無視するに忍びなく、金魚屋で稚魚用粉末餌を購入。しかし、食べない。調べると、動く餌でないとなかなか口にしないらしく、ブラインシュリンプという稚魚の餌用の塩水に浸すと活動を始める動物プランクトンがいいらしい。だが、そこまでするのは面倒。エビ同様に苔でも食ってくれ、と思いながらも、今は、ゆで卵の黄身を潰して水に溶いたものを与えている。これだと水に浮く粉末餌と違ってゆっくり沈むので、動いていると言えば言える。だが、気配を察してすぐにわさわさ群るようになってきたのはこちらの意図に反してエビ達だった。稚魚達は食べているのかどうかよくわからないが、一応腹部が黄色く膨らんだ個体を目にすることもある。掃除の手間が倍以上になっており、お互い早く楽になろうぜ、と投げやりな気持がある一方、一体彼らがデメキンなのかオタマジャクシなのか、それがわかるくらいまでは見届けたい好奇心もある。ミナミヌマエビは、先月大量に産んだと思ったらまたしても同じ母エビ3匹が抱卵中。卵を産む直前の1日は、エビ同士の追いかけっこが猛烈で、この日ばかりは出目金がたじろぐほど水槽内はてんやわんやだった。どいつもこいつも腰の不自由な飼い主をあざ笑うかのように盛んだ。今月末にはおそらく更に100匹エビが増殖してしまう。先週、同じマンションのUさんに10匹ほど里親になってもらったが、あっさり和金の餌食になったらしく、もう少し当方側にて大きく育てた後でまた譲り受けたいとのリクエストを頂戴する。